Res101 引用 |
|
優秀な者は、周りを導く義務があるのです。 ネット内で赤子のように無邪気に這い回るアジさんに「そっちは危ないよ」と教えてあげるのははなの義務だったのです。 あの時のように……。
〜回想〜
「強猫手伝って下さい」
レンダ強ボスが追加された頃、戦士Bからチャットがありました。 当時、既に僧侶としての才能に開花しつつあり図に乗っていたはなは「正直、面倒だな」とか思いつつも引き受けます。
PTを組むと戦士Bは戦士です。 それを見て「僧侶になりたいって言ってたのに、結局戦士なのか」と落胆しつつ事情を聞きます。 どうやらチムクエで猫が出たのはいいが、クリア出来なくて困ってるとのこと。
まあ、はなが僧侶やってれば楽勝でしょう。 そう思いつつ戦士Bのチムメンが集まるのを待ってたのですが。 まあ、見事な地雷が集まりました。 皮です。 皮装備です。 当然、錬金効果は失敗揃い。 彼等は屈託なく作戦会議を始めました。 聖水はどうする、葉っぱはあるか、毒消し草って必要だっけ。 そんな内容の会議をボーっと無言で眺めるはな。 早く終わらないかな、もう作戦なんてどうでもいいでしょ、勝てるよはながいれば。 そんな思いで一杯です。
結論から言うと、楽勝でした。 仲間は凄い勢いで死んで行きますが、はなが凄い勢いで蘇生回復。 戦士Bが棒立ちなのを良いことにズッシかけて引っかけて時間稼ぎ。 そんな感じで猫がオレンジになり、赤くなり……。 討伐完了。
戦士Bは大喜びしてはなに色々聞いてきます。
「はやい!はやい!何でそんなに早く動けるの!?」 「詠唱速度乗せてますから」 「私も出来る?」 「装備を整えれば出来るんじゃ無いですか」 「お金無い」 「僧侶の装備持ってないんですか?なりたいって言ってましたよね?」
はなが空気を読めずこんな発言しても、チムメンの人達は大はしゃぎしてました。 そんな中、戦士Bはこう答えます。
「装備は一応持ってるけど僧侶やらない」 「私がやると皆死ぬから」
この言葉を聞いてはなは想いました。 戦士Bは地雷です。 恐らく野良で行けば罵倒されるレベルの地雷です。 僧侶どころが戦士もまともに出来てるとは言い難いです。 そんな戦士Bですが。
善人なのです。
多くの場合、地雷は嫌われます。 地雷から脱却する努力をしない人は嫌われます。 善人であろうと、嫌われるのです。
こんな簡単なことではなは衝撃を受けました。 今、無邪気に喜んでる戦士Bやそのチムメン達。 彼等は本当に嫌われるべき人達なのでしょうか? 否です。
彼等は嫌われていい存在ではありません。 ただ、努力の仕方を知らないだけなのです。 努力しても動けないだけなのです。
その時から、はなは決めました。 地雷を守護ろうと。 彼らの笑顔を守ろうと。
強い人、上手い人なんてのは勝手に勝って勝手に笑います。 けれど、彼らには。 彼ら地雷には。 導き手がいないと、いけないのです。
その日から、はなは野良に拘るようになりました。 それも、条件フリーの野良です。 苦労しました。 ケツタイガー達に「天使無いの?何で死ぬの?」と言われたりもしました。 けれど、それでも、はなは野良に拘りました。 彼等、地雷のために。 弱者のために動くと、はなは決めたのですから。
〜回想終わり〜
本当にすみませんね、アジさん。 貴方を守護れなかった。
この悲しみを糧に、はなは大きく成長しますね?
|